「禁煙支援新時代:わかる・できる・てがるに楽しく! 職域・地域・教育現場での禁煙支援ノウハウ」を開催しました

とき
2008年07月21日(月/海の日) 10:00〜16:00(受付9:30〜)
ところ
松江市市民活動センター 5階 交流ホール(STICビル/松江市白潟本町43)
主催
しまね子どもをたばこから守る会、日本禁煙科学会、禁煙マラソン
共催
島根県薬剤師会、島根県医師会、島根産業保健推進センター、プリエールねっと・松江市男女共同参画センター

当日の様子を撮影した写真をご覧いただけます。下のサムネイル画像をクリックしますと、写真一覧のページが表示されます。

禁煙新時代:職域・地域・教育現場での禁煙ノウハウ



かなり盛りだくさんの内容にしましたが、準備期間・時間が十分なく、どのくらいの方に参加頂けるのか心配していました。しかし、結果は120名を超す参加者で、分科会も時間が足りないくらいの充実した研修会となったようで、お世話役としては安堵しました。
他県からも20名参加頂きました。夏日の熱い中、参加の皆様、有難うございました。

◆来賓として島根県医師会副会長の佐藤充男先生に御挨拶頂きました。先生は、医師会代表として県のたばこ対策協議会などでも積極的な発言をなさっています。島根の状況と医師会の取り組みに・今後の課題についてもお話し下さいました。

◆続いて、高橋裕子先生の講演「明日から役立つ禁煙支援の基礎と最新情報」です。
先生自らの歴史と絡ませて、禁煙治療の歴史〜保険診療となり、今回のニコチンパッチのOTC化、内服薬処方開始に至るまでを、そしてそれぞれの特徴と使い分けについて、お話し下さいました。また、タクシー禁煙化、地域の禁煙化の大切さを、医学的データを交えてお話下さいました。
島根は、まだタクシー禁煙化ができていません。しかし、タクシー協会の理事さんも本会に出席くださいましたので、早晩、動きがあるものと期待しているところです。

◆ランチョンセミナーではノバルティスの方から、製品の説明・使い方など資料と共に丁寧にお話し下さいました。お弁当が遅れて、エプロンシアターと順を入れ替えました。

◆エプロンシアター〜しまね子どもをたばこから守る会で、にわか仕立てですが、急遽役割を割り当て、紙に印刷したセリフを見ながらの手作り人形劇でした。みんな役になりきって楽しく演じました。

◆報告:大分県における禁煙支援 −大分県タクシー禁煙化— 伊藤裕子先生の報告です。
3年前に立ちあがったKK大分の活動と絡めて、タクシー禁煙化に至る経緯をお話し下さいました。 医療関係者に限らず、行政、教育関係者と共に活動し、地域の禁煙を支援していらっしゃいます。学校での禁煙教育活動や行政の健康施策への参加など、幅広い活動を紹介して下しました。タクシー禁煙化の効果、乗客アンケート結果もお示し頂きました。

◆分科会(各分科会責任者の報告をまとめました)

(1)職域での禁煙推進活動の実際〜
【企業・官公庁での禁煙推進(三浦秀史事務局長)、安全衛生委員会が取組む禁煙推進(春木宥子)】
前段で組織の中でたばこに対する認識のギャップを埋めるためには、経営面からも多角的に考えることの重要性をお話し頂き、後段は実際の取り組みのなかで、取り組みの秘訣を話題提供しました。小さな事業場でトップの喫煙に悩む参加者からの質問があり、高橋先生がこのKKメールに取り上げて下さって、つい最近議論のあったところです。

(2)薬剤師による禁煙支援の実際〜
【伊藤裕子(大分県薬剤師会)、高橋裕子(奈良女子大学)おふた方が担当】                   
薬剤師はOTC化を「職能発揮のチャンス」と捉え、一念発起してほしいと、参加薬剤師に熱いエールを送って下さいました。お客様に売って終わりではなく、最後まで禁煙をサポートすることが必要であること、今回禁煙科学会の担当メンバーで作成された問診表・禁煙日記を紹介し、それらを活用することで禁煙サポートに役立つこと、学校薬剤師の防煙教育は小学校5年生を目途にしているが、5〜6歳の早い時点でも効果があることを話されました。

(3)たばこの害はこう教える! −大人にも子供にも役立つ喫煙防止教育 
【北山敏和(元和歌山県教育委員会)、田草雄一(ぽよぽよクリニック)お二人が担当】
まず北山先生から「たばこの何が一番問題だと思うのか?」「喫煙教育で、何を一番に伝えたいのか?」 の問いかけがありました。田草先生の模擬授業ー子どもをたばこから守るために〜でニコチンくん、ドーパミンくん、壊れたレコード作戦、白鳥作戦など、笑いの絶えない楽しい授業でした。その後北山先生の講演では、喫煙抑制の力となるには発想の転換が必要で、これをもとにした教材つくりや授業展開のコツとして、かくす、見せる、合わせる、置き替えるといった手段で、たばこの異常性をクローズアップし、恐ろしさを教えるだけではなく、吸わない勇気を与える情報を与えることの大切さ、吸っていないあなたは幸せというイメージを強調し、吸ってしまった子たちには、成長の一段階としてとある意味当たり前のこと、吸ってみたい気持ちは数年でなくなってしまうし大人の多くは吸っていないという現実、今止めれば影響も少ない、大人に相談すれば解決できると明確な見通しを示すことが重要であることが、話されました。
スポ小指導者の喫煙(質問)〜個人的な問題としてではなく、公の問題として取り上げる方が良い。

◆禁煙経験者の声 Q&Aタイム
5名の禁煙経験者の体験が語られました。聞く方は熱心に耳を傾けるので、皆さん初体験で時間を忘れついつい熱弁をふるってくださって、時間オーバー続出でした。これからも頑張って禁煙支援をしっかりやろう!のエネルギーを沢山頂いたようです。
恒例の最後の疑問解決コーナーでは高橋先生が手際よく質問を振り分け、的確にお答えされていました。
参加者は納得!の回答を得て、すっきりし、今後の活動エネルギーを頂いたと思います。有難うございました。

◆アンケート結果
講習会内容:回答は、大変役立った>役立った、でした。
その他ご意見の記入欄を拝見しますと、役だった、楽しく勉強した、有意義だったなど好評だったようです。禁煙する気のない人に禁煙させるにはどうすればいいのか、これをまとめられるワークショップが欲しい、楽しみながら禁煙新して行きたい、職場でも取り組んでみたくなった、禁煙経験者の失敗談・言いにくいことを教えてもらって役だった、薬剤師として禁煙を勧めたい、同じ薬剤師・伊藤先生の熱さにうたれた、粘り強くがんばる協会の講義に取り入れたい、他の分科会も聞きたかったので、聞く機会が欲しいなど、貴重な感想・ご意見を有難うございます。今後の活動に生かしていきたいと存じますので、よろしくお願い致します。